駆け抜けた18年
私は、前社長である主人と結婚してからずっと経理の仕事で裏方として会社を支えてきました。しかし18年前に主人が亡くなったことをきっかけに社長に就任しました。
後継者は長男(代表取締役 南部直人)に決めていましたが、主人が亡くなったとき長男はまだ高校生だったので「誰かが会社を守らなければ」という状況のなか、周りの方々の支えもあり「よし、私がやろう!」と決意しました。
当時は悲しむ時間もないまま仕事に追われ、気が付くと18年が経っていました。現在息子たちは3人とも会社に入り手伝ってくれているので、頑張ってきた甲斐があったと思っています。
そんな歳月を経て、私にとって社員は『家族』のような存在になりました。何か変わった様子の時には声をかけてじっくり話を聞くことで社員の心のケアをするようにしています。今の規模だからできることではありますが、誰かに話や愚痴を聞いてもらうだけでも落ち着くってこともありますよね。その『誰か』を私がやるようにしています。
社員たちが『働きやすい環境』をつくるために、一人一人の話に耳を傾けるのが私の役割だと思っています。
大切にしている3つのこと
仕事をする上で大切にしていることは大きく3つあります。社員にも息子達にもそれは日頃から伝えています。
主人はいつも『何事に対しても正直であれ』と言っていました。その思いに私は共感し、今も大切に受け継いでいます。
2つ目は『人の話に耳を傾ける』ということです。まずは「相手がどう思っているのか」を理解できる人材に育って欲しいのです。
そして3つ目は『お互いの個性を尊重すること』です。会社は個性の集まりです。そしてラインマンの仕事は一人ではできません。お互いを尊重し認め合うことでより良い仕事ができると考えています。
私自身は同じことを伝えるとしても、個性を理解したうえでそれぞれに合った説明をするように心掛けています。
私にとって社員は誇り
社員が現場に行く時はいつも「怪我をしませんように。無事に帰ってきますように」と祈るような気持ちで送り出します。
安全対策は万全だとわかっていても母親の部分が出るのでしょうか、悪天候の日は特にドキドキしながら待っています。
今は携帯電話があるのですぐに連絡をとることができますが、携帯電話がなかった時代は出張に行ってもらうときは「まずは宿舎に着いたら電話してね」と10円玉を山ほど持たせていました。無事に仕事を終え帰って来てくれることが何より嬉しいです。
危険を伴う仕事ですが今まで事故もなく、きちんとこなしてくれている社員を誇りに思っています。
これからのコウナンへ願うこと
これから息子たちに世代交代をしていきます。
仕事をしていく中では楽しいことも辛いこともあると思いますが、息子や社員には「この仕事をしていて良かった」、お取引先様には「この会社に任せて良かった」と思ってもらえる、そんな会社にしていってほしいです。若い社員の成長も楽しみにしています。